「あけぼの」への思い #29

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未明の板谷峠越え
1989/05/05 (奥羽本線 板谷〜赤岩)

悔しかった高校2年の夏(1985年)のリベンジを、
4年後(1989年)の5月に果たすことができました。

山形の高校を出て上京、2年間の写真短大も卒業し、
この写真を撮影した時は、広告カメラマンの助手の仕事をしていました。
国鉄は1987年に民営化され、すでにJRになっています。

時はバブル経済まっただ中で、広告写真の仕事は忙しかったのですが、
ゴールデンウィークは事務所も休みとなり、実家へ帰省する事が許され、
リベンジのチャンスを得ることができたのです。

撮影した場所は、奥羽本線の赤岩駅から松川を渡った対岸中腹の林道です。
今ならば、クルマで容易に行くことが可能ですが、
この当時は、クルマを所有していないばかりか、レンタカーを借りるなどの発想もなく、
徒歩で現場へ到達することだけを計画しました。

テントを設営して寝る事を予定しなかったのですが、
暗闇のなかでジッとしているのもイヤだったので、
庭坂駅から撮影場所まで、歩いて夜明けまでの時間を稼ぐ方法を考えたのでした…

そして、1989年5月4日、
実家の天童から奥羽本線の上り普通最終434列車に乗り込みました。
米沢から板谷峠を越えて、庭坂に着いたのが22時過ぎ…。

そのまま出発してしまうと、現場に早く着きすぎてしまうことが予想されたので、
日付けが変わった5月5日の午前1時頃に庭坂駅を出発しました。

道中はしばらくの間、民家もあって舗装路が続きましたが、
坂をのぼり、山へ分け入った辺りで民家がなくなり未舗装の林道となりました。
もちろん辺りは真っ暗ですから、心細さといったら半端ではありません…

夜の山道を単独で歩いた経験がある人には共感してもらえると思いますが、
風が吹いて木々の葉がザワザワと騒ぐだけで、鳥肌が立つほど怖い感じです。

それでも、どうにか庭坂駅から2時間と少しの時間で、
線路を見下ろす撮影場所に着いた時は、時計の針が午前3時をまわっていました。

撮影目的の上り「あけぼの」の通過時間は4:45頃なので、タップリと時間があります。
怖さを紛らわすために、大声で歌を唄ったりしたのを覚えています(笑)

やがて午前4時を過ぎて、だんだんと辺りが白んできました。
時々、林のなかで、ガサガサと音をたてる野生動物の気配にビビリながら、
三脚に機材をセットし、列車の到来を待ちました。

機材は、気合いが入った2台態勢…。
1台は重い重い、PENTAX67を担いできていました。
フィルムはさすがにISO400(エクタクローム400)です。

もう1台はCanon New F-1で、こちらは200mmF4のレンズを装着。
フィルムはモノクロを装填。
コダック社の新開発T-MaxフィルムのISO3200(TMZ)という超高感度を使用しました。

何とか願い叶って、板谷峠をゆく「あけぼの」の写真を得ることができたこの日は、
自分にとって10代最後の日でもありました…。
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