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信濃竹原駅写真展・備忘録(8)最終回

ワインバレー列車に乗車し、
信濃竹原駅の空間に触れたとき、根拠のない自信を持ったのですが、
そもそも展示に関しては「デルタ線」の展示を経て、
「この三人ならば大丈夫」と、最初から不安はありませんでした。

「プロアマ男女の垣根を越えて」とは、デルタ線のあいさつ文の冒頭部分。
垣根を越えた三人の役割はハッキリしており…
まずヒノさんが問題提起。
そこへ的確にアドバイスをするのが直井さん。
私はそれを“まぜまぜ”する(迷惑な)役割(笑)
それでも、なぜか最後には話がまとまっているから不思議です。

その後も打ち合わせを重ね、下準備を進めるなか、
年が明けて2018年の4月、鈴木さんが再び管理課へ異動になり、
写真展の主担当をしてくださることになりました。
風向きが良い方向に吹いてきたようでした。

その後、4月下旬になり、
長電さんの感謝祭イベントと絡めて、
「9月22日から24日の3日間の開催でいかがですか」との提案があり、
ようやく具体的な日取りが見えてきました。
鈴木さんが見えないところで話をつめてくれたのだと想像します。

正式にゴーサインが出たのは8月上旬でしたが、
6月中旬には三人揃って本社へご挨拶に伺った後、
会場となる信濃竹原駅の待合室に入れていただき壁面の採寸を行いました。

2018_1211_01.jpg
↑山々を背景にした信濃竹原駅の佇まい。

8月になると、会期が迫るなかで一気に詳細が決まります。
まず、台紙付きの硬券きっぷセットを長電さんが公式で作成し、
我々が写真展の会場で発売することになりました。

その台紙を写真展開催記念の図柄にしてくださるというではありませんか!

2018_1211_04.jpg
↑公式の台紙。写真も使用いただき、出展者にとって良い記念になりました。

さらに会期中は「ゆけむり〜のんびり号〜」が特別に臨時停車するよう手配されるとのこと。
写真展のために特急列車を臨時停車させた!…というとカッコ良いのですが、
販売する硬券に、信濃竹原からの特急券が含まれており、
「乗車できないきっぷを売る訳にゆかない」という理由もありました。
鉄道事業者としての真摯な姿勢を感じます。

こうして長い時間をかけて準備を進めてきた写真展ですから、
搬入を終えた時の嬉しさは格別なものがありました。

2018_1211_05.jpg
↑搬入を終えたところ。私の展示は信濃川田駅の時と同じ作品をあえてメインにしました。

会期中、駅舎内の写真を眺めていると、
ふと、ここにたどり着くまで不快な場面が全くなかったなぁ、と気付きました。
(あ、、あくまでも私の主観で、その辺のところ、お二人には怖くて聞けません・笑)

同じことを、例えば学生時代に行っていたら、果たしてどうなっていたでしょう…
責任感も持たぬまま、勝手に個々を主張してぶつかり合い、
不協和音を発していたかも知れません。
(それはそれで、若いときには大事なことでしょうが)

立場は違えど、三人とも社会のなかで様々なことを経験し、年を重ねたからこそ、
お互いが良い距離を保ち合い、見守れるような関係が築かれたのかなと思います。
年をとるのも悪くはないなぁと。思ったりして…。

2018_1211_03.jpg
↑駅舎の前で記念写真(会津善和さん撮影)

そして迎えた9月24日の16時・・・クローズ。

作品が取り外されるのを目の前に、私は終わった寂しさよりも、
今まで得たことのない、爽やかな気持になっていました。

ひとりではなく、3人、いや鈴木さんも一緒の4人で、
この写真展を開催できて本当に良かったと心底思いました。

########

以上で長々〜 と綴った「信濃竹原駅写真展・備忘録」を終えたいと思います。
3、4回くらいかな、と思っていましたが、8回にも及んでしまいました。

改めて、遠くから、また近隣やご近所から、
信濃竹原駅写真展にお越しいただいた皆さまに感謝申し上げます。

搬入にお付き合いいただいた小林さん、
停車中に写真展のアナウンスをしてくれた運転士さん、
開催に際してご理解くださった井原鉄道部長さま、中島運輸課長さま、
お世話になった長野電鉄のみなさま、

展示を一緒に組み上げてくれた直井さん、ヒノさん、
出会いのきっかけをつくってくれた、揚野さん、ナダールの林さん、
そして、長野電鉄の鈴木さんにお礼申し上げます。

3年半前、鈴木さんがメールを送ってくれなければ、
このような経験をすることができませんでした。

写真展が終わった翌朝、
恩師である真島満秀さんの眠る場所に伺い、報告してから、
我々三人は長野を離れました。

2018_1210_01.jpg

素敵な時間を、ありがとうございました。
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ジャンル : 写真

信濃竹原駅写真展・備忘録(7)

直井さん、ヒノさんと2017年初夏に開催した、
三人展「デルタ線」の会期が終わる頃、
次も何かできないか…という話題が自然に生まれました。

「信濃竹原駅という無人駅で写真展を一緒に開催できないだろうか…」

自分のなかで固まってしまった懸案が、
二人に協力して貰えれば動くかも知れない、漠然とそう思いました。

突然の提案に対し、ありがたくも二つ返事を貰うことができて、
信濃竹原駅写真展が動き出しました。

あれこれ話しているうちに、
鈴木さんへの相談と、信濃竹原駅の見学と撮影もかねて長野へ行こう!
という話しになりました。

鈴木さんは「デルタ線」にも足を運んでくださっていて、
すでに直井さん、ヒノさんとも顔見知りになっていました。

「秋にワインバレー列車が運転されるので、その時期はどうですか…」
ヒノさんの提案に対し、そこはお酒好きの三人ですから即決です!

2017年11月に運転のワインバレー列車を直井さんが予約。
訪問の旨を鈴木さんに伝えると、なんと休暇をとり、
乗客として一緒にワインバレー列車に乗車してくださるとのこと。
(結果的には飲み会まで付き合ってくださいました)
鈴木さんのこのようなホスピタリティーに、
その後も三人は何度感激したことか…

2018_1208_01.jpg
↑沿線ワイナリーのワインと美味しい「のんびりべんとう」を味わいました。

ワインバレー列車は信濃竹原駅で数分間停車し、
普段は閉め切っている待合室を開放して、見学できる行程が組まれていました。
(現在はダイヤ変更により、残念ながら見学時間がなくなりました)

2018_1208_02.jpg

信濃竹原駅で列車が停車すると、いよいよ駅舎内の見学です。
窓から差し込む秋の薄日にやわらかく照らされる木造の待合室が目の前にありました。

直井さん、ヒノさんにしても初めての光景だったのですが、
実は私も、待合室に入るのは初めてでした。

2018_1208_03.jpg

実際の駅舎に触れて、私は「これはいい駅舎!展示は大丈夫」と、
根拠はありませんが、自信めいたものがひそかにわき上がっていました。

直井さんは、どう展示すれば良いのか、どれだけ用意すれば良いのか、
開催までどれだけ長電の写真を撮ることができるかを考えたそうです。

ヒノさんは、実際にこの時駅舎を見るまで、
本当に展示できるのか半信半疑で、そもそも自分が参加しても良いのか?
不安だったとのことです。

知らずのうちに、お二人に負担をかけてしまっていたのかも知れません・・・

ですが、それまで駅舎での写真展を経験して、
絶対に後悔しない楽しさがあると確信していました。

私は展示に関することを、あまり細々と説明せず、
この素敵な駅舎の空間に対して、お二人がどう考えるかを大切にしたいと思いました。

テーマ : 鉄道写真
ジャンル : 写真

信濃竹原駅写真展・備忘録(6)

2016年の夏
ナダールのフェス、通称「なだフェス」で、
ギャラリーオーナーの林さんに、
「三人で写真展やるのはどう!?」とナンパされた三人。

あれよという間に開催が決まり、
「決まった以上はシッカリと」ということで、
打ち合わせと称しては飲み会(杯?)を重ねました。

3人とも写真の傾向がバラバラで面白いなぁと感じました。

直井さんはカッチリとした鉄道風景が主体で、シグマSD1 Merrillなどという、
モンスターなセンサーを搭載したカメラも使用しています。

いっぽうヒノさんは、6×6判のローライフレックスにモノクロフィルムを詰め、
鉄道沿線の空間に漂う旅の気配や、鉄道のまわりに佇まう人々を切り取る作風。

作品の目指す行き先はバラバラですが、隅っこの方で繋がっている。
これをデルタ線に例えて、写真展タイトルを「デルタ線」としました。

写真展「デルタ線」は、2017年6月28日から7月9日まで開催。
会場はもちろん、東京・南青山の「ナダール」です。

2018_1205_01.jpg
↑ヒノさん(左)直井さん(奥と右)の展示壁面

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↑米屋の展示壁面

会期中は多くの方々にお越しいただき、
我々出展者三名は感謝の気持ちでいっぱいでした。

さて、「デルタ線」の展示が終わる頃、
「次も何かできないか」という話題が自然に生まれました。
考えを巡らせると、じわじわと浮かんできたのが信濃竹原駅のこと。

私と鈴木さんの間で繋がっていた一本の糸は、
儚くも千切れそうになっていましたが、
直井さん、ヒノさんという別色の糸が編まれることで、
もう一度望みを繋げることができないだろうか…

そんな思いが浮かんだのです。

写真展終了後の打ち上げの席で、その考えを告白しました。
今度は私がナンパする番です(笑)

「長野県にある信濃竹原駅という無人駅で、写真展を一緒に開催できないだろうか…」

直井さんには、少し前にぼんやりとは話していましたが、
にわかな提案に対して、お二人の戸惑った表情が忘れられません…

それもそのはず、ギャラリーで展示するのでさえ難儀なのに、
会場は見ず知らずの無人駅…しかも首都圏から遠く離れた長野県ですから。

それでも、直井さんは、う〜ん、なんだか楽しそうと言ってくれ、
ヒノさんも、面白そう〜!といつもの明るさで答えてくれたと記憶しています。

テーマ : 写真展
ジャンル : 写真

信濃竹原駅写真展・備忘録(5)

長野電鉄信濃竹原駅で開催した写真展の経緯について、
数回にわたって綴っています。

さて、ここで場面が全く変わります。
長野電鉄の鈴木さんから最初のメールが届いたのと同じ2015年、年初こと。
編集者で友人の揚野市子さんが、南青山にあるギャラリー、
Nadar(ナダール)さんを紹介してくださいました。

様々な公募企画展を行なっているナダールさんですが、
初の公募による鉄道写真展を企画しているとのこと。
「ナダール」による鉄道写真展なので、その名も「なだ鉄」!!
ゲストとして、揚野さんが私を推薦してくれたのでした。

あの時、揚野さんの紹介がなければ、信濃竹原駅での写真展も、
未だに開催されていなかったかも知れません。

「なだ鉄」第一回は“鉄道写真”というワードで緩やかに繋がった、
男女あわせて10人(私も含めて)。
展示方法の巧みさなど、私も参加した方々から刺激を貰いました。

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↑記念すべき「なだ鉄」第1回目のDM。
 写真は現在「SL銀河」で活躍する蒸気機関車、C58 239の復活前の動輪アップ


ナダールはオーナーの林さん、店長の早苗さんが運営するギャラリー。
展示内容の面白さもさることながら、
お二人のかもし出す明るい雰囲気は居心地が良く、
多くの写真好きな人々に愛されています。

そんなナダールが開催する夏のイベントが「なだフェス」。
ギャラリーのあるビルのピロティーを会場に、
お酒でも飲みながら写真談義を楽しもうというステキな企画です。

2016年の「なだフェス」に参加した際、
「なだ鉄」第1回目参加者のヒノヨウコさん、
第2回目参加者の直井雄章さんと三人でビールを飲んでいたところ、
オーナーの林さんから「君たち三人で写真展やるのはどう!?」と声をかけられました。

なぜ、林さんが我々に声をかけたのか?いまだに不明ですが、
「どう!?」と言われても、断る理由が見当たらず、酒の勢いも手伝って盛り上がり、
あれよあれよという間に三人展を開催することに……会期は2017年の夏に決定しました。

テーマ : 写真展
ジャンル : 写真

信濃竹原駅写真展・備忘録(4)

長野電鉄・信濃竹原駅での写真展が、
なかなか開催できなかったのには様々な理由があります。

そのひとつが、私自身の仕事の変化によるものでした。
2011年の震災後、一時的に仕事が減少してしまい、
フリーランスとして生活を維持していけるかどうかギリギリの大変厳しい時期でした。

そのような状況ではありましたが、
山形鉄道西大塚駅で登録有形文化財の記念した写真展

ブログ2015年9月20日
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西大塚駅前で登録有形文化財プレートのお披露目会も行われました。

私の恩師、真島満秀さんの七回忌を偲ぶ写真展「記憶の中の鉄道回廊」

ブログ2015年9月29日
2018_1129_02.jpg
信濃追分文化磁場「油や」で9/17-28に開催された「記憶の中の鉄道回廊」

と続き、最初に鈴木さんに伝えた「季節の良い秋頃」の開催は、
明らかに無理な状況になってきました。

そんななか、鈴木さんは軽井沢と西大塚駅にわざわざ足を運んでくださりました。
本当に嬉しく、また申し訳なく、ますます鈴木さんの思いに応えなければ…
という思いが強くなったのを覚えています。

10月19日、鈴木さんに以下のメールを送っています。

#############

こんにちは、良い天気が続きます。
信州はそろそろリンゴの収穫時期でしょうか?
先日は山形鉄道西大塚駅、また軽井沢追分へとお越し下さいまして、
たいへんありがとうございました。本当に感謝しております。

信濃竹原駅の写真展について、この秋には開催したいと考えておりましたが、
下見すら出かける事ができずに、とても申し訳なく思っています。

出版不況と言われて久しいですが、
思えば、信濃川田駅舎をお借りして写真展を開催した時期は、
まだまだ私のような者にも、自由に活動できる経済的な余裕があったと振り返ります。
震災の後、出版界の不景気は加速度的に進行していると感じます。

そんななかでも、私のような者がお役に立てるのならばと、
お声がけいただければ、どこにでも足を運びたいと、
ずっと、そして今も考えています。

ただ、このところ、無償での行動が連続してしまった為、
生業に専念し、自由に活動するための予算を捻出する必要がでて参りました。
当方まったくの個人企業、営業力も弱いので、お恥ずかしい話です…

写真展を心地よい会場にするには、
迎える者に心の余裕がなければ、できません。
信濃竹原駅での写真展開催の話がなかなか進展できないのは、
このような、私的な事情がありますことをご理解いただければと思います。

しかし、せっかくいただきました楽しいお話ですし、
何より鈴木さんの熱意にどうしてもお応えしたいと真に考えています。
来年春(GWでしょうか)の開催をお約束しますので、
これから計画的に準備を進めることができればと思いますが、いかがでしょうか?

(後略)


2015年10月19日10時58分

############


今度は「来年春」と答えてしまいましたが、またしても実現できず終い。
自分が「やるやる詐欺」ではないか…とさえ思い始めました。

「来年春」だった2016年の春、鈴木さんが運輸部から駅勤務へ異動になり、
信濃竹原駅での写真展は、一時的に遠くになったように感じられました。

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